母の読書記録

「鬼子(おにご)」上下 (幻冬舎文庫)新堂冬樹

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あらすじ

万年初版止まりで、作家だけでは生活がままならず、マンションの管理人をしている。フランス大好きだが、実際に行ったのは一度だけで、ガイドブックなどで情報収集している、純愛小説作家が主人公。

同居していた、主人公の母が亡くなって、息子と妻が様変わりし、日に日に息子の言動が荒くなり、悪い仲間とつるんで悪行三昧。家庭が崩壊していく。

唯一の避難場所で相談相手である、近所の喫茶店のマスターに紹介されてカウンセラーに通っている。

カウンセラーのアドバイスは「息子さんを刺激するような言動は避け、怯えた様子は見せないこと」しかし、息子が何故そうなってしまったのか、全く分からず途方にくれて、奴隷のような扱いを強いられる。

やはり初版止まりの、ミステリー作家で友好関係にあった彼が、国内最大手の出版社の文学賞を受賞する。

自分は担当編集者が交代し「三下り半」を突きつけられてしまい、知り合いの編集者を紹介してもらおうとしたタイミングだった。

新しい編集者は、「ベストセラー製造機」と言われている。
その編集者から提示されたのは、「今起こっている出来事を、告白手記として書く」初版五万部、前金四百万円を渡すというものだった。一度は断ったが、管理人はクビになり、お金の工面もことごとく断られてしまい受けることになる。

執筆させるために、この編集者が全て手を回していたと分かるが、どうしてもお金が必要だった。
息子がどうしてこうなってしまったかを、本人の手紙で知らされたが後の祭りとなった。

そして第一作目の生原稿が編集者から送りつけられ、目にしたことで、過去の色々な場面が甦って驚愕する。
告白手記は刊行され、大ベストセラーとなる。
彼のカウンセラーはその作者が、自分の患者だったと知り、アドバイスのまぬけ加減を思い知らされる。
そして本当の「鬼」は誰なのか?

「天使と悪魔」上中下 (角川文庫)ダン・ブラウン(越前敏弥訳)

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あらすじ

スイスの科学研究所で殺人事件が起き、その死体の胸に残された焼き印が「イルミナティ」の伝説の紋章だった。

ハーバード大学で宗教図像解釈学の教授をしている、ロバート・ラングドンに事件解決の依頼が来て、スイスへと向かう。

殺されたのは、物理学者であり聖職者である、レオナルド・ヴェトラ。養女と共同で秘密裏に研究していた物質が盗まれてしまった。

「イルミナティ」(啓示を受けた者たちという意味がある)遥か昔に存在した友愛結社の名称である。

太古から、科学と宗教のあいだには深い溝が有り、多くの科学者が処刑され、科学は宗教によって迫害されていた。しかし十六世紀に、ローマのある団体(物理学者、数学者、天文学者など)が教会に反旗をひるがえし、教会の誤った教理について話し合うようになったのが「イルミナティ」だ。

ガリレオもその会員で、敬虔なカトリック教徒でもあり、教会の立場を軟化させようと「科学と宗教は敵ではなく友である」と唱えましたが受け入れられませんでした。

それどころか、異端者として自宅監禁された。他の会員たちも拘束され拷問され、生きながら胸に焼き印を押されました。

新たにイルミナティに加わろうとする人々へのみせしめとして、死体をローマの街路に放置されたことで、残った会員はイタリアから脱出し、地下深くに潜伏し、カトリックの粛清から逃れる人々と親交を結び、カトリック教会に復讐することを誓い力を蓄えていきました。

しかし、イルミナティははるか昔に消滅していると、ほとんどの学者の意見が一致している。なのに何故、紋章が焼きつけられたのか。

レオナルド・ヴェトラは「科学によって神の存在を立証し、疑り深い連中を説き伏せる」ことが、望みだった。なので、科学の世界に大勢の敵がいた。そして、現在も科学と宗教は戦っている。

暗殺者(ハサシン現在ではアサシンと発音される)はヤヌスと名乗る者から依頼された。

養女のヴィットリアが海洋調査から急遽戻り合流する。そして、研究室へと向かう。

研究室の扉は殺されたレオナルドとヴィットリアの網膜スキャンでしか開かないようになっていた。

この研究室で、「ビッグバンを再現した」ことを告白する。

そして、正物質と反物質が現れた。このふたつが衝突すると、極少量でも核燃料の千倍の威力がある非常に危険なものである。親子だけの秘密であったのに、何故狙われたのか?

盗まれたサンプルは、24時間でバッテリーが切れ衝突が起こってしまう。
ローマに反物質があると、ヴァチカン市国のスイス衛兵から連絡が入り、ラングドンとヴィットリアは向かいます。
その日は新しいローマ教皇を決める選挙が行われるため、世界中の枢機卿が集まっていた。

とても危険なことを説明しても、避難させられないと断られてしまう。

そして、教皇候補の四人が行方不明になってしまい、暗殺者から一時間にひとりずつ殺すと連絡が入る。

ラングドンはヴァチカンの記録保管所に殺害場所を特定できる情報があると入所許可を依頼し、時間と戦いながら資料を探します。

停電などのアクシデントをくぐり抜け、手がかりを見つけ出し、その「啓示の道」を頼りに捜索に取りかかります。
宗教彫刻に隠された道しるべを探し、枢機卿の救出にローマを奔走し暗殺者と戦っていきます。
そして、暗殺者を操っているのはいったい誰なのか。

映画化もされてます。監督 ロン・ハワード主演 トム・ハンクス

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感想(7件)

「ダ・ヴィンチ・コード」もこの作家の作品です。

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