足るを知る者は富む

タイトルに記した言葉はかの有名な老子の言葉です。

海外に住むということで、自分とスーツケース、ボストンバッグ、バックパックに入るものしか持って来れないという状況に陥ったわたしは、必然的に日本で暮らしていたときよりも、少ないモノで暮らすことになりました。

その結果、タイトルの言葉通り、それでも十分暮らしていけるということを身を持って学びました。

そしてまたわたしは日本に帰る日が来るのです。

その日までに好きなだけ物を増やし、大荷物で帰るようなことは絶対に避けるということを、渡英直後に決意しました。

病的なほどの収集癖、完全にマキシマリストだったわたしの意識はどのように変化していったのか、5つの項目にまとめてみました。

1.物を増やせない状況、環境に追い込むこれは意志の弱いわたしにはもってこいの方法でした。

変えようと思って意識を変えた、というよりこの状況になり変わらないことは避けられないというようなイメージでしょうか、物が増え続けたら帰国時どうなるのかという恐怖が、わたしの物欲を消し去ってくれたように感じています。

引っ越しなどの際、身軽に動けるように物を少なく厳選しておくことは、日本に帰ってからも大事にしていきたいと思っています。

2.本当に必要?自問自答の時間を設けるなにか欲しいものが出てきたときは、購入する前に、本当に今それが必要なのかを考えるようになりました。

値段にもよりますが、だいたい一週間から一か月程度は、これを買ってわたしの生活はどう良くなるのか、それが私にとってどのくらい価値のあるものなのか考えること、これを買うために私はどのくらい働けばいいのか?という計算をすることが、癖付きました。

これによって衝動的に買い物をすることが、ほとんどなくなりましたし、その結果購入したものは、適当に買ってきたものよりも愛着が湧きやすく、大切に使っていこうという気持ちが大きくなりました。

3.たくさんのスペースを手放す収納が充実している、広い部屋には住まない。

物理的に物を置けなくすることで、購入を避けることができる。

そして小さめのお部屋は比較的家賃が下がりやすいので、その点でもわたしにとってメリットとなりました。

4.今持ってるもので代用できるものはないか確認する実は既に所持している物が、買おうとしてるものと類似している、代用可能なものだったことがありました。

一度自分の手持ちを見直してみることで、無駄な買い物を避けられました。

人の欲は止めどないものなので、こういったトラップに引っかからないようにしたいものです…。

5.妥協した買い物はしない 2.の項目に付随するかと思うのですが、ロンドンに来てからというもの、「こういうの欲しいな」と思った際に、ドンピシャで「いいな!」と思わせてくれる物が、幸か不幸か見つかることがあまりありません。

似たような惜しいものは見つかるのに… こういった状況でしょうがなく買うと後悔します。

実際の話ですが、黒のTシャツが欲しくて、実店舗も見て回りまくった結果いい物が見つけられませんでした。ですがどうしても欲しくて諦められなかったわたしは、 AmazonUKを調べ、日本から持ってきて気に入っているフルーツオブルームスを購入しました。

届いたシャツはわたしの持ってきたシャツとはかけ離れたクオリティのペラッペラな生地で愕然としました。同じブランドだからといって実物を見ずに買うべきではなかった、とお勉強させてもらいました。

今後服を買うことがあれば必ず実物を見て、妥協せずに購入します。

日本にいた時よりもはるかに少ないもので生活していますが、貧しいとは思っていません。

むしろこの生活を楽しんでますし、豊かであると感じています。

足るを知る者は富む。

今あるものや人に感謝を忘れない人は、たとえ多くのものを持っていなくても心が豊かである。

老師先生、その通りだと思います。